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ー鍼灸の治療部位とは?全身にひろがるツボの考え方ー

鍼灸の治療部位は「痛いところ」だけじゃない

鍼灸というと、痛みのある場所にそのまま鍼を刺すイメージを持つ方が多いですが、実際の治療部位はもっと広く、全身に及びます。東洋医学では、からだ全体のバランスを整えることを重視するため、肩こりでも足首に、腰痛でも手の甲に鍼をすることがあります。このように、症状のある場所と離れた部位にアプローチするのが、鍼灸の大きな特徴です。

代表的な鍼灸の治療部位と症状の例

鍼灸の治療部位は、筋肉のこりや関節の痛みだけでなく、内臓の不調や自律神経の乱れなど、さまざまな症状に合わせて選ばれます。ここでは、日常生活でお悩みの方が多い症状を中心に、よく使われる部位をいくつかご紹介します。

首・肩まわり:こりや頭痛、目の疲れに

デスクワークやスマホの使いすぎで負担がかかる首・肩まわりは、鍼灸の治療部位としてとても代表的です。僧帽筋や肩甲骨まわりの筋肉にアプローチすることで血流の改善を促し、重だるさや張り感、緊張型頭痛の軽減を目指します。目の疲れが強い方には、後頭部やこめかみ周辺のツボを組み合わせることもあります。

腰・骨盤まわり:慢性腰痛や足のだるさに

立ち仕事や長時間の座り姿勢、加齢による筋力低下などで負担が集中しやすいのが腰・骨盤まわりです。腰だけでなく、お尻や太ももの付け根のツボを使って筋肉のこわばりをゆるめ、血流や神経の働きを整えていきます。慢性的な腰痛だけでなく、足のだるさや冷えを感じやすい方にも選ばれやすい治療部位です。

手足のツボ:内臓の不調や自律神経の乱れに

手首や足首、指の間などには、内臓の働きと関係が深いツボが集まっています。胃腸の不調や食欲不振、ストレスからくる胃の重さなどには、足のすねや足裏のツボを使うことがあります。また、手の甲や手首のツボは、自律神経のバランスを整えたいときにもよく用いられます。服を大きく脱がずに施術できる点も、手足の治療部位のメリットです。

なぜ離れた場所に鍼をするの?治療部位の決まり方

「肩がつらいのに、どうして足に鍼をするの?」と不思議に思う方も多いのではないでしょうか。鍼灸では、からだを流れるエネルギーの通り道とされる「経絡」の考え方をもとに、症状と全身のつながりを見ながら治療部位を決めていきます。

経絡に沿って全身のバランスを整える

経絡は、ツボ同士をつなげる線路のようなイメージで、肩の不調が足首のツボとつながっている、といった関係性を示します。局所だけでなく経絡全体を整えるように治療部位を選ぶことで、痛みの原因にアプローチし、再発しにくい状態を目指します。

問診と触診で一人ひとりに合わせて選ぶ

鍼灸の治療部位は、問診や触診でからだの状態をしっかり確認したうえで、一人ひとりに合わせて選ばれます。同じ肩こりでも、冷えが強い方、ストレスが大きい方、姿勢のクセがある方では選ぶツボが変わります。体質や生活習慣に合わせてオーダーメイドで決める点が、鍼灸ならではの魅力です。

鍼灸の治療部位を知って安心して通院しよう

初めて鍼灸を受けるときは、「どこに鍼をされるのか」「痛くないのか」と不安になるものです。事前に代表的な治療部位や、その意味を知っておくことで、施術中もリラックスしやすくなります。気になることがあれば遠慮なく相談し、自分のからだに合ったペースで鍼灸を取り入れていきましょう。

2025.11.21